こんにちは、株式会社fleuveです。
今回は、店舗経営の中でも特に「売上」と「利益」を左右するメニュー設計についてお話ししたいと思います。
飲食店を長く続ける上で、どんなに味が良くても「売れ方」に設計ミスがあると、
その魅力が正しく伝わらないことがあります。
私たちはこれまで数百店舗のコンサルティングを行ってきましたが、
繁盛店とそうでない店の差は、味ではなく「メニューの構造」にあります。
今回は、実際の現場でよく見られるメニュー設計の落とし穴を3つ紹介します。
① 人気商品を目立たせすぎる
多くのオーナーがやりがちなのが、人気メニューを大きく、派手に打ち出すこと。
もちろん看板商品は重要ですが、そればかりが売れてしまうと、原価率の高止まりを引き起こします。
人気メニューを目立たせるのではなく、
売りたいメニューを自然に選ばせる導線を作ることが大切です。
たとえば、
- 原価の低い商品を中央または視線の動線上に配置する
- 価格帯のバランスを「高・中・低」で並べて比較を誘導する
- 写真のトーンを統一し、1枚だけ光らせる
このように、デザインと心理の両面から“選ばれる構造”を仕込むことが、
利益を生むメニューの基本です。
② メニュー数が多すぎる
「お客様に飽きられないように」とメニューを増やしすぎるお店も多く見られます。
しかし実際には、選択肢が多いほどお客様は迷い、決定までの時間が伸び、回転率が下がる傾向にあります。
さらに、仕込みの品数が増えることで食材ロスやオペレーションの負担も増え、
結果として利益率を圧迫します。
理想は、1カテゴリー3品以内。
それ以上増やしたい場合は、「季節限定」や「おすすめ枠」として入れ替えを行い、
常に全体の構成をシンプルに保つのがポイントです。
③ 利益構造が見えていない
もっとも致命的なのは、原価・回転・注文率のバランスを可視化できていないケースです。
メニュー構成は、売りたい商品 × 利益率 × 提供スピードで決まります。
この3つのバランスが崩れると、どれだけ売上があっても利益が残りません。
たとえば、原価40%の人気メニューばかりが出てしまうと、
忙しいのにお金が残らない状態に陥ります。
逆に、原価20%台の「サイドメニュー」「ドリンク」「追加トッピング」などが
しっかり売れている店は、安定して利益を確保しています。
メニュー設計とは、数字で組み立てる戦略設計。
感覚ではなく、「1枚の紙で利益をデザインする」意識が大切です。
おわりに
美味しさは前提。
そこに戦略的なメニュー設計を掛け合わせてこそ、
お客様の心と経営の両方に流れが生まれます。
fleuveでは、売上データ・顧客心理・ブランド体験を総合的に分析し、
“自然に選ばれるメニュー構成”を設計しています。
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